【20ドル札】

著名な講演者は、セミナーでまず20ドル紙幣を取り出した。そして、200人の聴衆に向かって「この20ドル札を欲しい方いますか?」と尋ねた。

複数の手が挙がる。

「誰かお一人に差し上げますが、その前にちょっと待ってください」
20ドル札をくしゃくしゃにして、「これでも欲しいですか?」と尋ねた。

依然として手が挙がる。

「それでは、こうしたらどうでしょうか?」20ドル札を床に放り、靴で踏みつけだした。紙幣を取り上げ、さらにしわくちゃにして、「まだほしいですか?」と尋ねた。

それでも手が挙がる。

「もうこの辺でいいでしょう。今、みなさんは大切な教訓を学んだのです。私がどんなことをしようと、みなさんは20ドル札を欲しがりました。価値が変わらないからです。20ドルは20ドルです。人生においても、我々は倒れ、肉体的にも精神的にもまいり、地べたに這い蹲ります。自分の行いや周囲の状況によってこうなってしまうわけです。自分が全く価値のない人間のように思えてしまいます。しかし、何が起ころうが、自分は自分であり、価値が下がることはないのです」

「汚かろうがきれいだろうが、しわくちゃだろうがビシッとしていようが、我々を慕ってくれる人たちにとっては、掛け替えのない存在に変わりはないのです。人生の価値は、我々が何をするか、誰と知り合いであるかということにあるのではなく、ありのまま我々であることにあるのです」

「ひとりひとりが素晴らしい存在なのです。このことを忘れてはなりません」

2009年03月13日 18:20

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